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中東のイラク共和国より視察団が来社されました。

(News)

令和6年11月6日 JICA(国際協力機構)の事業の一環として、中東のイラク共和国より廃棄物管理に係わる行政官12名・通訳1名・ 職員1名が視察団として来社されました。

視察団の方々
イラク共和国

イラク共和国

イラク共和国(イラクきょうわこく)は、中東に位置する連邦共和制国家で、首都はバグダード。サウジアラビア、クウェート、シリア、トルコ、イラン、ヨルダンと隣接する国で、古代メソポタミア文明を擁した土地にある、世界有数の原油埋蔵国です。

視察の背景~イラクにおける廃棄物問題の現状

イラク共和国では、近年人口増加に伴い廃棄物の発生量も増加しており、1日当たりの一般廃棄物の発生量は49,424トンに達しています。一方で、廃棄物の収集量は29,024トンにとどまり、収集率は約60%に過ぎません。このため、廃棄物の収集が国民全体に行き届いていない状況が続いています。
さらに、2019年時点でイラクにある224箇所の最終処分場のうち、環境汚染対策が施された衛生埋立処分場は67箇所のみで、残りの157箇所はオープンダンプ方式(更地に積み上げる方法)で運営されています。このため、廃棄物から流出した汚水が土壌や河川、地下水などを汚染し、未収集のごみによる散乱が問題となっています。
これらの問題に対処するためには、適切な廃棄物管理システムの構築が急務ですが、イラク全土での廃棄物管理に関する基本法が未制定であるため、中間処理施設や最終処分場の設計基準も定められておらず、法律、規制、技術ガイドラインが不十分な状況となっています。
そのような状況の中で今回、イラクの廃棄物管理システムの改善に向けて、日本の国際協力機構(JICA)の事業の一環として、イラクから視察団が来日することとなりました。

視察目的

視察の目的は、当社で行われる使用済自動車の適正リサイクルや産業廃棄物の中間処理方法などを実際に見学し、イラクの状況にどう適用できるかを学んでいただくことです。
この訪問を通じて、日本の廃棄物管理の実践例を紹介し、イラクの廃棄物管理システム改善の参考となることを目指しています。

視察風景

視察では、当社岡本取締役より日本における産業廃棄物管理システムの仕組みについて、当社の取り組みを中心に説明を行いました。当社が実施している産業廃棄物の処理プロセスについて、ISO14001をはじめとする環境マネジメントシステムや取得した認証についてご紹介し、当社の環境保護に対する取り組みの重要性と、廃棄物処理の安全性を確保するための基盤がどのように整備されているかをお伝えしました。
また、その中で日本における「循環型社会を形成するための法体系」についてもご説明しました。

視察風景

説明を行なった日本の「循環型社会を形成するための法体系」

日本の「循環型社会を形成するための法体系」 日本の「循環型社会を形成するための法体系」 日本の「循環型社会を形成するための法体系」

当社友田工場長より、
当社の概要について説明をしました。

森綱マネージャーより、ISO14001をはじめとした
当社の取得資格について説明をしました。

解体現場等から排出されるスクラップの
処理設備を見学されました。

使用済自動車の処理工程を見学されました。

森綱マネージャーより、現場設備等を安全に使用する為、日々点検シートにてチェックをしている説明を行いました。

視察員の方々からの質疑応答を実施しました。

質疑応答の一部をご紹介

<質 問>
日本では何年位で使用済自動車にするのですか?

<回 答>
所有者が必要無くなった場合や事故をしたことで使用済自動車にするケースが多く、特に何年でという基準はありません。

その他、沢山のご質問をいただく中、驚きを隠せない視察団の様子がとても印象的で、私たちも法や文化の違いをあらためて実感しました。

視察を終えて

イラク共和国視察団の皆様、
貴重な経験を
ありがとうございました。
イラク共和国視察団の皆様と記念撮影

メッセージ

今回の視察では、日本の産業廃棄物管理システムを実際に見学していただき、当社の取り組みを学ばれる貴重な機会となりました。
イラクにおける廃棄物管理の課題を解決するための参考として、日本がどのように環境保護と効率性を両立させているのか、また安全対策や作業環境管理がどれほど重要であるかをお伝えできていれば幸いです。
また、この度の視察を通じて得た知識や経験が、イラクの廃棄物管理システムの改善に役立つことができれば大変光栄に思います。
今後、さらに協力関係を深め、技術的な支援を通じて、イラクの廃棄物管理の発展に寄与できることを願っております。

ヤマコー株式会社 スタッフ一同

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