円高・関税が脅かすかも!?
日本の鉄鋼産業と自動車産業の行方。

2025.05.09

鉄鋼スクラップは再生資源!

私たちヤマコー株式会社は、カーボンニュートラルの実現を見据え、持続可能な資源循環を推進しています。
そのために、市中スクラップや自動車スクラップなどを積極的に買取り、適切に処理・再資源化することで、鉄・非鉄金属といった再生資源を安定的に供給しています。

これらの再生資源は、H型鋼や鉄板、鉄筋などへと生まれ変わり、建築物やインフラなど、私たちの暮らしを支える製品の一部として広く活用されています。
鉄鋼スクラップは、まさに次世代へ資源をつなぐ「再生資源」としての大きな役割を担っているんです。

日本は世界有数の鉄スクラップ輸出国!

ところで、こうした再生資源となる鉄スクラップが、日本からどれくらい輸出されているかご存じでしょうか?
実は2024年、日本の鉄スクラップ輸出量は約654万トンにのぼり、世界第2位の輸出国となっています。驚きですよね。

ちなみに第1位はアメリカです。さすがです(笑)

日本の主な輸出先は、韓国、中国、台湾、そしてベトナムをはじめとする東アジア諸国。なかでも韓国向けが全体の約57%を占め、最大の輸出先となっています。

このような再生資源が、より多くの国と地域に広がっていけば、地球から鉄鉱石を新たに採掘する必要が減り、私たちの大切な地球環境を守ることにもつながっていくはずです。

関税がもたらす鉄鋼業界と地域経済への影響

私たちは、鉄鋼製品の材料となる再生資源を提供していますが、その供給には自動車スクラップが欠かせない重要な資源となっています。

広島県を拠点に事業を展開する私たちにとって、マツダ株式会社は非常に大きな存在であり、マツダ車の生産台数は私たちの業務にも大きな影響を与えます。
なかでも、マツダ株式会社は米国向け輸出比率が高く、追加関税の影響によって米国市場での販売が落ち込めば、生産台数の減少に直結する可能性があります。

こうした変化は、マツダ車の製造に関わる各企業の売上減少を引き起こすだけでなく、中国地方の地域経済全体にも波及するおそれがあります。

もし、そうなりますと、私たちも含め、再生資源の供給量が減少し、これもまた、地球環境に影響を及ぼすかもしれません。
皆さまは、このような関税があたえる影響をどう考えますか?

いま、私たちにできること

ヤマコーでは、スクラップをただ「回収・買取するもの」としてではなく、地域の皆さまと一緒に未来へつなげていく大切な資源だと考えています。

私たちの仕事が、少しでもお客さまの負担を減らし、気持ちよくお取引いただけるように、小口対応や回収スケジュールの調整、現地回収の柔軟な対応など、現場レベルでの工夫を積み重ねています。
地元・広島をはじめとした地域の企業や皆さまとの関わりのなかで、環境への配慮と経済の両立を意識した取り組みも続けています。

さらに現在、ヤマコーでは「素材の水平リサイクル」にも積極的にチャレンジしています。「素材の水平リサイクル」は、使用済み自動車から選別・回収した樹脂を再び新車に活用したり、新車製造時に発生する鋼板屑を自動車用鋼板として製鋼メーカーに戻す、またはアルミ屑を自動車用アルミとして再利用する、といった同じ用途への循環を目指す、というもの。まだ国内でも一部の企業でしか行われていない先進的なリサイクル方法で、限りある資源をより効率的に活かす新しい循環のかたちとして注目されています。

私たちヤマコーはこれからも、地域の皆さまと支え合いながら、資源を活かし、未来へとつなげるリサイクルに取り組んでいきます。

“資源を活かす”ということは、地域を活かし、未来を守ること。私たちヤマコーは、これからも地域一員として、できることから一歩ずつ取り組んでいきたいと考えています。